【CSA 4th 特別審査員】株式会社リクルートコミュニケーションズ萩原幸也さんを密着取材しました!(前編)

 こんにちは、 指導部講師の佐々木です。
先日のCreative Solution Awardsでは、日本勢で唯一カンヌライオンズ2017のモバイル部門グランプリをはじめ、2部門4カテゴリーにおいて受賞された、株式会社リクルートコミュニケーションズ 萩原幸也さんお迎えして審査のアテンドを担当させていただきました。

今回の2年生は個人戦と言うことで、作品数も多いため、気になった企画の展示のみ学生のプレゼンテーションを聞くことをお勧めしたのですが、待ち構えていた学生達の情熱と萩原さんの御熱意があいまって、結局会場に待機していた全ての学生のプレゼンテーションを昼食抜きでお聞きになり、鋭い講評を一人一人に頂きました。

以下可能な限り記録した萩原さんのコメントです。
真摯な企画への洞察による鋭い言葉が萩原さんからどんどん溢れて来る様にただただ感動でした。ちなみに萩原さんの講評のキーワードは「深掘り!」でした。

まずは千代田区からのの課題  ”男女平等の意識を高め、その実現を推進するためのPR提案とは”  の審査に突入し、早速待ち構えていた3年田中さんの千代田区内のサインのピクトグラムのデザイン提案『千代フラット』。
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プレゼンを聞いて下さり発想の面白さを評価されていました。

 

次に審査頂いたのは、丸善雄松堂株式会社+森ビル都市企画株式会社からの課題  ”街に「学び」を広げる書店とは”  にチャレンジした提案コーナー。
ツリーハウスがやりたくてこの課題を選んだ2年小川さんの『ツリー書店』のプレゼンを受け、「ツリーハウスに落とし込む必然性」について丁寧にご助言をされていました。
次に上石君の著名人の本棚を駅に設置する企画『本棚物語』のプレゼンに対しては「もっと企画を尖らせると良い!」とのアドバイスをされていました。
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同じく池田さんの『つづく書店』のプレゼンに対しては、「つづくカードに読んだ書物の感想を書く人の動機はどこにあって、どうしたら循環する仕組みになるかの考察が抜けている」との鋭いご指摘。
渋沢さんの名著の名文が記された『いちぶんあつめ』の提案には「集めたくなる企画なのか、遊びたくなる企画なのかを明快にすると良い」とのご意見を頂きました。
ビルの屋上に透明のドームの星空の明かりで本を探し読書が出来る加賀谷さんの『星空書店』の提案には、「既存の施設に対してこの企画がどう作用するのかを追求するともっと魅力を洗練出来る」とおっしゃっていました。
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 株式会社オートバックスセブンからの課題  ”オートバックスセブンが若者に支持されるにはどのような新卒採用ツールが考えられるか“ への提案では、筆頭、待ち構えていた細谷君に捕まりました。企業合同面接会場にオートバックスでの仕事の適性を判断するレーシングゲームマシンを設置する細谷君の企画『DECIDE GAME33』に対しては「ゲームという切り口は良い、合説(企業合同説明会)では目立つ」とお褒めの言葉を頂きました。
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平渡君の面接会場へ向かう乗り物に自虐ネタの交通広告を行う企画、『Car Wind』には「この企画だとコピーワークの精度が全て」「自虐ネタは王道」とのご指摘でした。
田中薫君の『面接送迎サービス「送迎」』のプレゼンには「面接官が車で来てくれるぐらいでも良い、地方へバスで説明会を実施したという例も実際にある。」とのコメントでした。
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ピジョン株式会社の課題 “学生や未婚の人向けに、ピジョンのブランド認知を上げるには、既存の販売チャネル以外でどのような販路を拡大するべきか” の一戸 君のピジョンでペットフードを製造販売する『Pegeoness』のプレゼンには、「例えば、本当に我が子に接するぐらい丁重にペットを扱うとしたら容器は缶じゃないのかも」「赤ちゃん向けのサービスをペットに当てはめたらどうなるかという視点でブランディングをすると良かった」「デザインは秀逸でやり切っていて良い」とお褒めを交えたコメントを頂きました。

堀米君の介護に着目した、生まれた時から老後の暮らしを支える企業ピジョンとしての認知度を上げる企画、老化を疑似体験するVRの提案『人生』に対しては「VRだけじゃないのかも」「イラストとレイアウト が凄い」「型にはめた方が良いのかこのまま突き進んだ方が良いのかが微妙!」と、萩原さんご本人にはめちゃくちゃ受けていました。
内山さんの 『ピジョンロックフェス参入プロジェクト』の企画に対しては「フェスに行って助かるよりも、フェスに行く動機を提案した方が良い、発想はいいけどアウトプットがまとまりすぎ」とのご意見でした。
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川崎さんの食物アレルギー対応のピジョンによる食品の提案「Ce’st bon」に対しては「着眼点は凄く良いが食品を流通させるということがとても大変」「みんなで美味しいものを食べたいというインサイトはとても良い」というご意見でした。
鈴木さんの 親子参加型の『ピジョンお料理教室』に対しては「普通のお料理教室との違いは何かというところをピジョンさんの優位性と繋げると良い」「どうすればお母さんが娘を料理教室に誘いたくなるかを考えてみると良い」と言うコメントを頂きました。「モヤモヤしていたのが少し晴れた」と鈴木さんのお礼。
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並木さんのピジョンからイケテルパパと子供をテーマにした雑誌を発行する『イケパパ』の提案に対しては「この雑誌をターゲットとした女性がどうしたら買う気になるか?という点をもっと深掘りして、表現を突き詰めると良い」とのご指摘を頂きました。
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大正製薬の課題 “若者とリポビタンDの接点(飲用機会)を増やすことを目的としたコミュニケーション表現を4P視点から考え具現化するには” にチャレンジした小口さんの、子供が親にリポDを贈る『鷲便WASHIDAYO』に対しては「普段からやる行為の中に入れちゃった方が良い、そのシーンがもっとリアリティが出ると良い」「親から子への贈り物の方が自然な気もする」

 小玉さんのおみくじが付いたリポビタンDを朝購入してもらう『リポみくじ』については「なぜ朝に限定したのか?コンビニで買ってもらうにはどうしたら良いかと考えると朝限定では無い気がする。」「むしろおみくじが付いたサンプリングを初詣の行列に配るとかの方が良いかも。」「カスタマーのエクスペリエンスの設計が重要。」ととても重要なご指摘を頂きました。
田中君の リポDを通して、オタクのイメージをポジティブに捉えてもらう企画『オタクだけどリポD飲んだらLvうpした件w』に対しては「よくある亜流オタク企画との差は何か、深掘りして独自オタクへのアプローチを如何にするか?」が重要とのご指摘。
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中村君のリポビタンDを飲んで好きな人へ告白して高所から巨大マットにダイブするキャンペーンの提案『Fall in Love』 に対しては、「恋愛を応援するという切り口と目の付けどころは良い」「この企画は深掘りすると色々やれる点が良い、現在恋愛が出来ない若者は多い、どうすれば恋愛ができるかをもっと掘ると色々やれる!」との前向きのご指摘でした。
池田君のリポビタンDの容器をボルダリングホールドにする企画『BOULDRIN D』の企画提案に対しては「ボルダリングをやると(指がつかれ)蓋が開けづらく…をもっと掘っても良かった」とのご意見でした。
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小林君の 風邪予防薬としてのビタミンCを含有した過去製品のラインアップの復刻企画『VERSUS COLD』に対しては「このインフォグラフィック(鼻水の垂れ方で数値を現したデザイン)のユニークさを全面に押し出しても良かった。もっと「薬」を特効薬的に見せる尖った表現があったらどうか。」とのアイデアを頂きました。
市川さんの スマホゲームのパワーアップアイテムのようなリポDのブランディングの企画に『リポビタン DX』対しては「そこまで頑張らなくてもいいという着眼点は、今の若者の等身大の本音が表れていて良い。」とのご指摘。
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森君の スキットル型リポビタンD「ファイト一服」
「スキットル型の瓶でもよかったが、リラックスからスキットルに行かなくても良かったのでは」と言うご意見でしたが「インサイトはとても良い」とのことでした。
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 一人一人のプレゼンテーションと展示に、ご丁寧にご対応いただいたので、かなり予定の審査時間を越えていたのですが、お昼の休憩抜きで良いと、1年生のチームワークの展示会場に向かわれました。ただただ感謝!頭が下がります。

1年生のクライアントは飲料業界の雄、キリンビバレッジ株式会社様です。
課題は “生活者の心に響き、背中を押し、キリンビバレッジ商品の選択率を上げる方策とは” です。この課題に対し9月から様々なリサーチや企業や消費者へのヒアリングを経て、1年生が提案したAチームからFチームまでの6チームの企画展示とプレゼンテーションを御高覧頂きました。

Aチーム のペットボトルのララベルにメッセージを書いて友達に贈る、女子高生をメインターゲットとした企画、『 CAFE ART LABEL』に対しては「企画にもうワンジャンプがあるともっと良かった、一般の人には自分で全部作るのは敷居が高いかも、だが総じて凄く良い」とのコメントを頂きました。
Bチームのペットボトル飲料にプレミアムで購買者が膨らませて潰したり投げたりするための紙風船をつけて販売する企画 『はれた!』のプレゼンテーションには、「凄くいい! あとは、ストレスを発散する方法をもう少し軽やかにやれると良い、紙風船を叩く破く以外だと何が出来るのかと言う発想の広がりが必用」とのご意見でした。
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Cチーム 青春のきっかけ作りとして、自撮り液晶自動販売機を高校に設置してキリンビバレッジの商品、世界のキッチンからシリーズとタイアップした世界旅行があたるコンペティション『Pimory(ピモリー)』の提案については「高校で自販機を使うのが凄く良い、ただその時、商品が 『世界のキッチンから』なのか?その辺の深掘りが必用。海外の広告賞の自動販売機の企画はたくさんあるので参考になると思う。」と言うご講評を頂きました。
Dチームの8種類のイケメンキャラクターを使ったキリンMetsのプロモーションの提案 『Mets Mens』はプレゼンテーションが萩原さんにかなりはまったようで、とても受けていらっしゃいました。「凄く楽しんでやっている点が良い。自分達の興味があることを課題とどう繋げて行くかということが重要だが、それが出来ている。今後も様々な世の中の他の事象とも繋げてやって行って欲しい」とのアドバイスを頂きました。
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Eチームの自販機で商品を買うとスマホゲームのポイントがチャージ出来る企画 『CHARiN(チャリン)』に対しては「これやれればキリンさんの商品が本当に売れるのか?人々は何でスマートホンが好きなのか、何故現在やってないかを深掘りしよう」とのアドバイスを頂きました。
Fチームの香りでキリン商品をプロモーションを提案する企画 『FRARING(フレリング)』のプレゼンテーションについては「匂いを使ってというのは色々あるが、今ひとつやりきった企画がなかなかない、この展示に関しては、空間をもっと有効に使った方が良い」とのご指摘を頂きました。
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